【0か100かで考えるな】

入試が近づくと保護者はテンパります。
 
先日もある母親と電話で相談に乗りました。
 
わりと完璧主義的な思考の方です。
 
「先生、このままでは算数間に合わない気がします。間に合うように計画立ててください。」
「無理です。間に合いません。間に合わないといけないんですか?」
という非情な答えをしてしまいました。
 
簡単に言うとこういうことです。
この子は8月から来られた方です。
そもそも間に合わないことは、うちの塾の責任ではないです。
 
その上で、気が楽になる思考法を教えました。
 
例えば、算数で理解して身につけいないといけないパターンが600あるとしましょう。
これが今100しか身についてないとします。
これを入試の時までに200,300にすることは無意味でしょうか?
200でも300でも間に合ってはいないです。
でも、100より200.200より300の方が、自分が身に着けた問題が出題される確率があがります。
300くらいやってれば、試験当日に運が良ければ、自分の得意な問題ばかり出題されるということもあり得ます。(もちろん、逆もあります)
 
他の科目も一緒です。
 
社会の公民の暗記が間に合ってなくても、地理と歴史だけは暗記していれば、公民があんまり出題されなくて、得点できる可能性もあります。
 
「全てが、完璧に間に合う」だけが正解ではなくて、もっとグラデーションがあるのが現実です。
 
そして、この場合で最悪の打ち手が
 
「絶対に間に合うように無理な計画を立てる」
です。
 
算数は人に説明できるくらい理解して、身に着けてるか?がとても大事です。
 
「理由は分からないけど、先生がここは割り算してたから、割り算すると覚えよう」なんて、上っ面の勉強をしてても入試問題は解けません。
 
残り500を間に合うように無理なペースを立てると、「理解すること」がおざなりになります。
そうすると、「500を一通りなぞったけど、実は一つも理解して身についてるものがない」という状態になります。
 
そうなるよりは、一つ一つを個別の授業でしっかり理解して身に着けた方が、成功率が高いです。
「300しか終わらなかったらそれはそれで仕方ない。だけど、100よりは前進している。分からないことが分かるようになった問題を200も増やせた!」
 
という風に考えた方が楽じゃないですか?
 
とその保護者にアドバイスしたら、
「気持ちが楽になりました。」
と言ってくれました。
 
今のできることを着実に積み上げていく以外に、一発逆転の効率の良いショートカットルートはないんです。
 
千里の道も一歩から。

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