「子どもが勉強せずにスマホゲームしてます」本当の問題はスマホにあった
こんにちは、広島で個別塾を営むなるちゃんです。
有料グループ(月額550円・月2回ご相談可)に、こんな愚痴まじりのご相談が届きました。
「子どもが勉強せずにスマホゲームしてます」
ありふれた悩みに見えますが、対処を誤ると、せっかく中学受験で入った学校生活を台無しにしかねません。この一文には「子ども」「勉強せずに」「スマホ」「ゲーム」の4つが入っています。どれが一番の問題だと思いますか。結論から言うと、「スマホ」です。
「勉強しない」は、どの家庭にもある悩み
ほとんどの子どもは勉強しません。「勉強しすぎて晩ご飯が始められない」という話は聞きませんが、「ゲームに夢中で朝起きられない」ならよく聞きますよね。親が不満を持たないほど勉強する子のほうが珍しく、これは私たちの時代から変わらない悩みです。受験で全力を出し切った後に、部活や友達、スマホと関心が広がるのも自然なことです。
「ゲーム」自体は、実はそこまで問題ではない
私は中高時代、『ストリートファイターII』に1日2〜3時間は熱中し、昇龍拳の練習で親指に水ぶくれを作ったほどです。それでも勉強の要所は押さえ、東大に進みました。東大の友人にもゲーム好きは大勢いました。ゲームがなかった親世代は漫画や小説、テレビで勉強しませんでしたし、昭和の初めには「小説を読むとバカになる」と叱られたそうです。その後は活動写真(映画)も叱られましたが、今では立派な趣味です。勉強しない子が別の娯楽に時間を使うのは、いつの時代も同じで、「娯楽を全部取り上げれば全員勉強した」という理想の時代はありません。変わったのは、娯楽の「質」と、脳への「効き方」です。
ゲームをすれば賢くなる、とまでは言いません。ただ、『信長の野望』のように内政と軍備のどちらに投資するかを数字で考えるゲームや、『マインクラフト』に没頭する子は、頭をよく使っています。勉強ができる人にゲーム好きが含まれる割合は、私の体感では普通より高いくらいです。
問題は、依存性が極めて高いスマホゲーム
ここからは、専門家ではない私が見聞きした範囲のお話です。以前NHKの特集で、禁煙外来の薬が紹介されていました。「タバコは吸ってもいいですよ」と言われて吸ってみると、何も気持ちよくない。それでタバコに飽きてやめられる、という薬です。ところが、禁煙に成功した人が半年後にまた吸ってしまう場面もありました。体はニコチンを欲していないのに、なぜでしょうか。
仕組みは、私の理解では次のとおりです。脳には神経伝達物質を受け取る「鍵穴」があり、ニコチンはそこに入り込んで刺激を出してしまいます。薬はその鍵穴を代わりに刺激するので、禁断症状が出ず、ニコチンが入ってきても気持ちよくならないのです。それでも吸ってしまうのは、体ではなく、脳に理由があります。
脳が「喫茶店で新聞を広げて一服した」「喫煙所で仲間と愚痴を言い合った」という「楽しかった記憶」を学習していて、それを再現しようとするからです。ギャンブルも薬物も同じだと聞きます。お酒をやめて10年の人も、10年と1日目に飲めば元に戻ると言います。私自身、お酒に関しては依存気味で、この記憶の力に苦しんでいる側の人間です。
スマホゲームは、この仕組みに乗りやすいのです。理由は2つあります。1つは、無料で始められる代わりに、広告か課金で稼ぐ必要があり、やめられなくなるよう巧みに設計されていること。もう1つは、スマホが布団に持ち込めることです。夜中の3時に目が覚めて「育てているキャベツはできたかな」とボタンを押す。そのまま眠れなくなる。実際、かつての塾生に、昼夜逆転して学校に行けなくなった子がいました。勉強しないだけなら、みんな勉強しないので五十歩百歩です。しかし生活リズムが崩れれば、不登校や卒業の問題にまで発展します。
対策は「ゲームはいい。ただしスマホでは遊ばない」
ゲームを禁止して漫画を読ませるのは酷ですし、続きません。おすすめは次のルールです。
- スマホは寝る場所に持ち込まない
- スマホゲームはインストールしない
- 代わりにNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機を居間に置く
買い切りのソフトは5,000〜6,000円ほどで、メーカーは代金で利益を得ています。課金で延々と使わせる必要がないので、健全にやめやすいのです。電源を切れば布団に持ち込めず、夜中に目が覚めても、わざわざ居間まで電源を入れに行く子はまずいません。スマホのような「ボタン1つで再開」にはならないのです。
晩ご飯の後に家族で『マリオカート』をすれば、それは家族団らんのコミュニケーションになります。おじさんたちのゴルフが、競技よりも人間関係づくりの場であるのと同じで、みんなでワイワイ遊ぶゲームは、健全な娯楽だと思います。夜更かしだけは、終わりの時間を家族で決めておきましょう。
一番避けたいのは、ショート動画
ショート動画は本当に楽しいです。ただ、2分以内にドーパミンが出る刺激に慣れると、それ以上待てない脳になるおそれがあります。盛り上がらない場面も含めて2時間かけて起承転結を味わう、映画のような楽しみ方ができなくなってしまうのです。私もリール動画を出しているので罪深いのですが、すぐにドーパミンが出る娯楽ほど、子どもからは遠ざけたいと考えています。
逆に、『マインクラフト』の延々と続く地味な掘削や、『ドラクエ』のレベル上げ、『ONE PIECE』100巻の一気読みは、先の楽しみのために今を我慢する娯楽で、ドーパミンの出が遅い。ベストでなくてもベターを選べば十分です。
ゲームのように、先の楽しみのために地味な作業を重ねる経験は、勉強にも通じる我慢強さを育ててくれます。すぐ快楽が返ってくる娯楽ばかりでは、その力は育ちません。
「弱毒をもって強毒を制す」
勉強しないのは、ある程度仕方ありません。だからこそ、「勉強しない時間を何で過ごしているか」に目を向けてください。スマホゲームという強い毒から遠ざけ、家庭用ゲームや漫画のような弱い毒で置き換える。「スマホゲームじゃなければ、まだいいか」くらいの構えが、今の時代の子育てには合っていると私は思います。
浜崎アカデミーのお知らせ
広島の教室とオンラインで、中学受験の国語を中心に個別指導・集団授業を行っています。記述教材「キジュツバ」や、月額550円(税込)・月2回ご相談いただける有料グループもあります。詳しくはプロフィールからご覧ください。
