中学受験、親は禅寺
「国語100点中14点、偏差値27」から第一志望へ──中学受験、親は禅寺です
帰国して最初に受けた公開テスト。国語は100点満点中14点、偏差値27でした。
お母さんは体験記に、笑うしかない状況でした、と書いています。この子は最終的に、第一志望に合格しました。今回の動画では、このお母さんが書いてくれた合格体験記を、私が丸ごと読み上げながら解説しています。正直に言うと、私はこれを読むたびに泣けてきます。
1. 英語は伸びて、日本語が止まりました
娘さんは入塾直前まで、1年半ほどアメリカに住んでいました。英語の習得は順調。その反面、日本語の停滞が顕著だったそうです。いわゆるダブルリミテッドという状態です。脳の中のパイを2つの言語で食い合ってしまい、どちらも中途半端になる。両方100%のバイリンガルというのは、実際にはかなり難しい。この話は動画の冒頭で詳しく話しています。小4の1年間、お母さんが伴走しました。他教科は浮上したものの、国語の伸びは亀の歩みで偏差値40代前半。国語をめぐって親子の衝突も増え、親塾の限界を感じていた、とあります。
2. 最初は、うまくいったんです
浜崎アカデミーに来られたのはその時期でした。テクニック重視の国語教育をどうしても受け入れられず、探し回って見つけた、と書かれています。受験に間に合わなくてもいい、本質的な理解を目指す。そう覚悟を決めて始められました。結果、1〜2ヶ月後の公開テストで偏差値が8.0上昇。偏差値50が見えてきて、真ん中のクラスに上がれました。
3. そして、崩れました
順調はここまでです。もともと飽きっぽく、思考することを面倒がり、少し難しいと感じるとすぐ諦める。夏の暑さで疲れが出る頃、私の質問に食らいついてくるのが面倒になったようでした。体調も崩し、大手塾の課題の多さでやる気を失い、春に伸ばした国語力は消滅。成績は崩壊しました。お母さんは撤退を何度も勧めています。それは断固拒否された、と。できないのに、やめるとは言わない。これ、けっこう起きます。
4. 「質問に行くようになった」は、喜んでいい話ではありませんでした
ここで担当を変え、コーチングのできる崎山先生に入ってもらいました。大手塾の国語の宿題は撤廃し、レベルを落とした課題だけに絞ります。春休み明けには成績が回復し、第一志望も合格圏に入りました。問題はその次です。夏ごろ、本人が算数を何とかしたいと言い出しました。
お母さんは喜びました。ずっと勉強から逃げていた子が、自分から意欲を見せたのですから。ところが、質問に行くようになった結果、後で聞けばいいやと、授業中に理解しようとしなくなったそうです。質問すればするほど、算数の点数は下がる。時間をかけなくなった国語・理科・社会も振るわない。秋にはクラス落ちを心配するレベルまで落ちました。第一志望も第二志望も、最後の公開模試は再考レベル。実質E判定です。再考というのは、再び考えなさい、つまりやめた方がいいですよ、という意味です。
5. 12月28日、初めて泣いた日
本人が本当に真剣になったのは、前受けを一つ落とした年末。12月28日、初めて過去問で合格点に届かず、涙を流した日でした。その姿を見て、お母さんは精神面から完全に手を引きます。
最後の3週間について、体験記にはこう書かれていました。特別なことはしない、能力の向上も狙わない、ただ整えるだけの日々、禅寺の修行のようでした、と。
6. 中学受験、親は禅寺
私はこの言葉に唸りました。美しい日本語です。皆さん、復唱しましょう。
中学受験、親は禅寺。
このお母さんの一番すごいところは、我が子を客観的に分析しながら、それを子どもの前に出さなかったことです。親が怒鳴ったところで、子どもは次の日からビシッと授業を聞くようにはなりません。閉じるだけです。それが分かっていて、言っても仕方ないことを飲み込んでおられた。
7. なぜ、親が言うと逆効果なのか
もう一つ、この受験で効いたのがコーチングでした。
親が言うと、関係性が近すぎて素直に聞けない。むしろ反発する。実は、親が言っていることが正しいときが一番やっかいです。正しいことを親が言っても、逆効果になる。でも、少し離れた憧れのお姉さんのような、好きな先生に同じことを言われたら、人は聞けるんです。個別指導を使う意義の一つが、ここにあります。コーチングをお願いしてから、親への精神的依存度は明確に下がってきた。この個別指導は親離れのために必要だったのだと後から思った——お母さんはそう書いています。
8. 結果は、3勝2敗でした
3日間、全5回の受験。結果は3勝2敗、3校の合格。
第一志望に、受かりました。今回の受験について、私が果たした役割は正直そう大きくありません。お母さんの精神力と、崎山先生の功績です。
9. 動画では、体験記を丸ごと読み上げています
開成に受かった子の話ではありません。うちには関係ない、とはならないはずです。ちょうど中学受験のボリュームゾーンにいる、多くのご家庭が「うちもそうだわ」と思える受験の記録です。このお母さんが、どこで折れかけ、どうやって心を凪にしたのか。全文を読み上げながら解説しています。
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