「過去問5周」は逆効果 ── 秋から差がつく勉強法と過去問の落とし穴②

秋からのNG勉強法 ── 勝ち組・負け組の分かれ道。穴は“個別”で塞ぐ

前回①では、過去問の落とし穴——「やれば伸びるは幻想」「過去問は一回きりの決闘」という話をしました。今回はいよいよ、秋からの勉強法です。

まず知っておいてほしいのは、秋から、受験生は“勝ち組・負け組”に分かれていくということ。ここは少し厳しく聞こえるかもしれませんが、大事な話です。

大手塾は基本的に、“うまくいっている人”に向けてカリキュラムを組みます。秋以降は入試実践演習といって、受ける学校ではなくても本番レベルの問題をどんどんやらせ、そこに対応できる力をつけていく。これ自体は悪いことではありません。基礎ができている前提だから成立するんです。イメージで言うと、Jリーグでちゃんと試合に出られている選手が海外リーグに移籍して、「当たりは激しいけど、こっちの方が成長できる」と伸びていく感じ。小6までにやってきた基礎と、入試レベルの間にはちょっと差があるので、「そうか、入試ってこうなのか」とギャップを埋めていく。基礎が固まっている子は、この実践演習をガンガンやればいい。

問題は逆のケースです。Jリーグで試合にも出られない選手を海外にぶち込んでも、ボコボコにされて終わるだけ。まずはトラップや基本練習をした方がいい。しかも塾というのは、正直、席には座れてしまう。座ってはいられるけれど、中身が追いつかないまま進んでしまうことがある。だから、基礎に穴がある人が、入試実践演習やそれに伴うオプションに時間を溶かすのは、秋からのいちばんのNGだと僕は思っています。歴史が抜けている、漢字が入っていない、算数の苦手分野が多い、そもそも算数が嫌い、国語が読めない——心当たりがあるなら、そこを何とかするのが先です。

ここで、大手塾の“構造”も正直に話しておきます。大手塾は、成績が振るわない子に「じゃあその子専用の授業をやりましょう」とはなかなかできません。それをやるたびに負けを認めるようなものだし、そもそも一人ひとりに個別対応するリソースがない。だから現実には、系列の個別指導塾を紹介して「個別を足したらどうですか」という対応になりがちです。そして、これ自体は悪くないんです。集団ではできないことを補うわけですから。実際、大手のカリキュラムに乗っていても、必要な力が身についていない子は結構います。「みんなが過去問やってるから、俺もやらなきゃ」で力のない状態で過去問をやっても、効果は出ない。だったら、分からない問題を分かるようにする、国語の記述を書けるようにする、覚えていない年号を覚える——そこにこそ時間を使うべきです。

うちのような個別指導塾に来てもらえれば、その“できていない・分かっていないところ”を一つずつできるようにしていきます。もちろん、かけた時間とお金には比例しますが、必ず埋まります。さらに言うと、入試実践演習や過去問で出てきた「分からない問題」って、実は塾の先生に質問できないまま消えていくことが結構あるんです。できる子は、そこを我々のようなところに質問に来てくれて、「なるほど、そういうことか」と分かるようになると、さらに伸びる。自分の受けたい学校に特化した対策のカリキュラムが今の塾にない、という人も、個別を使ってそこを補うのは良い手です。

そして、秋からの勉強でいちばん大事なのは、「何のためにやるのか」「なぜ効果があるのか」を考えることです。“みんながやってるから”“やればできる”で思考停止しないでください。やっても効果がないことは、山ほどあります。過去問を10年分すべて9月に解いて在庫がゼロになり、でも「過去問やったから受かるでしょ」——そんなことはありません。目的と効果を考えて、正しく力が増える勉強をしていきましょう。

(難関校を本気で狙える人へ:サピックスや早稲アカのNN・超難関想定クラスに入れる実力があるなら、絶対に入ったほうがいい。同じ形式で、本気で受ける子が集まる中での自分の立ち位置——それが、いちばん正確な合格可能性です。そこに入れる人は、極端に言えば過去問をやらなくても、クラス内の位置で今の可能性が見えます。)

秋からの相談、受け付けています。

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「過去問5周」は逆効果 ── 秋から差がつく勉強法と過去問の落とし穴①