算数は得意なのに「図形だけ」できない子——実は”才能がある子”ほど陥る落とし穴

今日は誰かから質問をもらったわけではなく、うちの子のちょっとした一件がきっかけです。実はうちの息子も、算数はまあまあできるのに、図形(幾何)でガクッとつまずいたことがありまして。そこから「これ、あるあるだな」と思ったので書いてみます。

テーマは「算数が全般的に苦手」ではありません。算数はまあまあできるのに、図形の単元になった途端に点が取れない子の話です。「うちの子、他はできるのに図形だけ…」という心当たりのある方は、ぜひ読んでみてください。

1. 「算数は得意なのに図形だけダメ」は意外と多い

算数全般が苦手な子とは、少し話が違います。ここで取り上げたいのは、図形だけがガクンと落ちるタイプ。「図形のセンスがないから」で片づけたくなるところですが、実はセンス以前の、構造的な問題が隠れていることがあります。

そして厄介なことに、これは地頭がいい子・頭の回転が速い子ほど起きやすい傾向があります。理由を順に説明します。

2. なぜ”地頭がいい子”ほど図形でつまずくのか

図形の難しい問題は、「なんでここに補助線を引くの?」というアイデアがないと解けません。逆に言えば、「ここに線を引けばいいんだ」とひらめければ一気に解ける。ただし、それを一発目でひらめけるのは、よほどの超天才だけです。大概の人はひらめきません。

ここで地頭がいい子の落とし穴が出てきます。頭の回転が速い子は、つるかめ算も植木算も和差算も速さの問題も、教わる前にその場で考えて解けてしまうんです。基本の例題を1つ受ければ「ああ、じゃあこうか」と、1を聞いて10を知る。だから算数で苦労した経験があまりない。「考えれば解ける」が成功体験になっているわけです。

ところが図形は、先人が考えに考え抜いてたどり着いた世界。「なんでここで線を引くの?」と聞かれても、答えは「引いたらよさそうだと思ったから」。ほとんど将棋のプロの世界です。だから、算数の地頭が少々いいくらいでは、一発で「ここに補助線を引けばいい」とは気づけない。“その場で考えて解ける”が通用しない領域なんですね。

3. 図形は「ひらめき」ではなく「ストック」で解く

では、どうするか。難しい話ではありません。「そうか、ここにこう線を引けばいいのか」という、図形を解くための知恵・アイデア・ひらめきを、学習して復習して、自分の中に取り込むだけです。

僕自身、算数や数学の才能が飛び抜けているわけではありません。でも「なるほど、これはこういうことか」と理解して蓄積したストックが、頭の中に無限にあります。今、僕が普通の生徒より図形を速く解けるのは、ひらめく力が高いからではなく、引き出しにストックしているアイデアの量が多いからです。

つまり大事なのは、こういうことです。

  • ひらめかないのが当たり前
  • 自分の頭で一からひらめこうとするのではなく、ひらめいた人のひらめきを、自分の中に取り込む努力をすればいい

理解して、復習して、定着させて、ストックにする。これは、ある意味で立派な努力です。図形には、この「理解してストックする努力」が必要なんです。

4. 「図形が苦手」は、努力が苦手のサインかもしれない

ここまで来ると見えてきます。一発で解けてしまう地頭型の子は、そもそも努力するサイクルや習慣がないことが多い。だから、その場でひらめかないと「わからない」で放置し、質問しても、教わったことを復習しない。結果、わからないまま。「こんなの一発でひらめけるわけがない、無理」となってしまうのです。

だから、図形が苦手な子は、才能がないのではなく、”理解して復習する努力”が苦手なタイプであることが少なくありません。才能で算数をブイブイ言わせている子が図形でぶつかるのも、実は努力ができないから、というパターンがあります。

こういう子は、川の名前を覚えるような地味な努力も苦手だったりします。ですから、我が子が「他はできるのに図形だけできない」となったときは、問題そのものよりも、勉強との向き合い方——「才能に依存して、努力をサボっていないか」——を気にかけてチェックしてあげるのがいいと思います。「たまたま」「向き不向き」で片づけないことです。

5. 才能型の子に「努力の習慣」を仕込むには

とはいえ、親が言ったところで素直に聞かないのが子どもです。正直に言うと、この才能タイプに、芸を仕込むように努力を仕込むのは、なかなか大変。それでも、僕はこれまでいろんな生徒でやってきました。

もしお子さんが「すらすらできちゃうけれど努力しない」才能タイプなら、塾・家庭教師・個別指導など、他者の力を借りて努力の習慣を仕込むのも一つの手です。大手の集団塾ではなかなかそこまで手が回りませんから。

夏休みは、その仕込みに向いた時期です。浜崎アカデミーの「演習空間」なら、強制的に勉強時間を確保できます。時間さえあれば人は努力するもので、効果もあると思います。広島の教室に加えて、オンラインでも受け付けています。この夏、お子さんの勉強や塾を見直したい方は、よかったら声をかけてください。


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