先生目線の合格体験記2019安田中合格 KHさん

幣塾の特徴として、先生目線で受験を振り返るということをしてます。 先生はどんなことを考えて生徒を指導していたのか? と言う記事です。

理数嫌いの典型的パターン「負の成功体験」の持ち主

この子は理科が苦手だから教えてほしいと言われて、通い始めましたね。理数が苦手な子の典型的なパターンです。 性別で分けるのは良くないかもしれないけど、僕の経験上は女子にこういう人が多いです。 多分、男子は星とか電流とか虫とか興味がわく人が多いですけど、女子は興味ない方が普通ですしね。
どういう風に典型的かと言うと、
問題を見た瞬間に諦める習慣が身についてます。
物理化学の分野で、何か実験をこれこれしました、その結果がこの表(またはグラフ)です、と言う問題がとても苦手です。
恐らく問題を見た瞬間に心が閉じてます。 「あ、これは私には解けるはずがない。」と だから目で字は追うけど、情報は頭に入ってこないし、全く理解できるはずがないです。
これを僕は「負の成功体験の持ち主」と呼んでいます。
これまでこういう複雑な(本当は落ち着いて考えればそこまで難しくないけど)問題に当たった時に解けない経験をします。
すると、「これまでできなかったから今度もできないに違いない」と言う固定観念が生まれてきます。 こういう子は「無理」って言いますね。 「水溶液は無理だから」って。
出来ないと思い込んでるから、問題が頭に入らない。だから解けない。 そして解けなかったからできないという思い込みがさらに増す、と言う負のスパイラルに入っていきます。 これが典型的な理数(特に理科)嫌いのパターンです。  

指導法:正しい成功体験

どうやればいいかと言うと正の成功体験を積ませることです。
まずは、問題文を音読してもらいます。
心が閉じている時は上の空ですが、音声で発生すると耳から入ってくるので嫌でも情報が頭に入ります。
その上で問題文が長いと全てが把握できないので必要なところで止めて、部分的に情報を限定してあげながら、「ここだけで考えてごらん。」と言う風に考えれば分かるポイントを作ってあげます。(その時にできるだけ明るく「こんなことは難しくないよ~」とお気楽に先生が振舞うのもコツです。)
そうすると最初の(1)とか(2)はこちらの誘導はあるものの、「自力」で解けます。 できたら「できるじゃん!簡単でしょ?」とホメます。 すると「あれ?できるかも?」と言う意識になります。
これを繰り返していくだけです。(さらっと書きましたがこの誘導の仕方が僕の教える技量です。)意外と最後の方の問題までうまく導けば解けたりもします。
これを繰り返すとある時から「あれ?これ簡単かも?落ち着けばできる!」と言う意識に変わります。
こうなると、後はスイスイと解けるようになります。  

絶対に辞めたくない!

  KHさんは、割と早くこの状態になりました。 これをやさしく陽気に教えるのです。僕のことを気に入ってくれたようです。
後でお母さんに言われました、「もう浜崎アカデミー辞めさすよ!って言ったら『それだけは辞めたくない』と言うんです。」と(笑)  

実は暗記もできてなかった

  秋くらいから彼女にとって苦手の物理化学分野が得点源になってきました。
ただね、ここからが手ごわかったです。
理科には生物地学のように基本的に暗記の分野もあるんです。
普通は考える問題が出来ない人は、せめて暗記で得点しようと暗記を頑張るのですが、暗記を全然してませんでした(よっぽど理科が嫌いだったのでしょう。)
それで、僕が暗記の仕方と使う教材を指示して暗記してもらうことにしました。
と、言うものの目を離すとなかなかやってくれませんでした。 暗記すると言うことにモチベーションが湧かなかったかもしれません。
割としつこく言い続けました。  

結果を「仕分け」するということ

  お母さんも結果が出ないことにいら立っていたので、ちゃんと僕は仕事をしていることを示すためにも、できなかったテストの間違えた問題を仕分けすることもしました。
この問題は考える問題で僕とやって得意になったからできてる、でもこの問題は覚えることなのに覚えてないから×になってる、ここを頑張らないといけないし、覚えれば得点できるから伸びしろでもあるよ、と。
ある時から、うるさく言ってやった暗記が結果につながる実感を得たのか、やってくれるようになりました。 これで理科は大丈夫です。
算数は家庭教師の先生がついておられたので、僕はタッチしませんでした。 多分、理科と同じ状況だったと思います。  

生徒を笑顔にする

  結果だけみたら安田中合格と言うのは、そこまで「おお!すごい!」と皆さんが驚く結果ではないかもしれません。
ただ、僕としては以上のように考えて、教える腕を駆使してやるべきことをして、苦手な科目の苦手意識を克服させました。
彼女も楽しそうに笑ってました。
これが僕がいつも言う「勉強で子どもを笑顔にする」ことです。
これができたので、僕にとっては大きな手柄だと言えますね。

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