【衝撃の事実】SAPIXで国語をやればやるほど国語ができなくなる理由と、その処方箋①

【第1回】なぜSAPIXで国語をやるほどできなくなるのか――そのメカニズムを徹底解説

「SAPIXに通っているのに、国語の成績がまったく上がらない」「小5のときより読めなくなった気がする」。そんな悩みを抱える保護者の方は少なくありません。今回は2回にわたって、大手塾の国語指導が抱える構造的問題と、その解決策をお伝えします。第1回では、SAPIXで国語をやるほどできなくなるメカニズムを詳しく解説します。

SAPIXの教材自体は最高品質

最初に断っておきます。SAPIXの国語教材は非常に優れています。深い内容の文章と大量の記述問題。難関校合格に必要なレベルを正確に捉えた教材です。問題はその教材の中身ではありません。使い方と進め方にあります。

SAPIXは難関校に合格させるための塾です。「全員をできるようにする」ことを目的とした塾ではありません。難関校合格に必要なカリキュラムとテストを提示し、それをこなせる才能がある子が合格する、という設計になっています。超優秀な子にとってSAPIXは最強の環境です。しかしボリュームゾーンの子にとっては、そのカリキュラムが適切かどうかは別の問題です。

教材の難易度は「飛び級前提」になっている

中学受験の世界では、塾が対策を打てば学校側が問題を難化させ、また塾が対策するというイタチごっこが続いています。その結果、教材の難易度は年々上がり続けています。現在のSAPIXでは、小6向けの文章は難関校と同等の分量と深さ、小5向けは従来の小6レベル、小4向けは小5レベルというのが実態です。

つまり、小5でSAPIXの文章を読みこなせている子は、実質的に飛び級をこなしている化け物です。できない子がいても当然なのです。実際、なるちゃんが国語の苦手な生徒に試したところ、1学年下の教材がちょうど良いレベルだったという事例があります。場合によっては、小6の子が小4の教材からやり直した方が効果的なこともあります。100kgのバーベルを渡し続けても筋肉はつきません。適切な負荷が必要なのです。

授業の進め方が「浅い処理」を強化する

教材の難易度だけが問題ではありません。授業の進め方にも大きな問題があります。SAPIXの授業では、14問ある教材のうち数問だけを抜き出して解説し、翌週には別の教材へと進みます。1つの文章を深く掘り下げる時間はありません。さらにSAPIXオープンなどのテストでは、長文・深い内容・大量の設問が課され、時間内に処理することが求められます。

この状況で何が起きるか。生徒は「深く考える時間はない、とにかく点数をとらなければ」という思考回路になります。文章を斜めに読み、「なんとなくこのあたりに書いてあった」という感覚で答えを切り貼りする。考えない、読まない、テクニックで乗り切る。この処理方法が授業を重ねるたびに強化されていきます。

「やるほどできなくなる」のはこういう理由

国語で最も大切なことは、深く考えながら読むことです。難しい文章を理解するためには、思考を止めずに向き合い続ける力が必要です。ところがスピードと分量のプレッシャーにさらされ続けることで、思考を使わない処理型の読み方が習慣化してしまいます。

小5のときは本を読んでいたし、国語もそこそこできていたのに、SAPIXで勉強するほど読めなくなっていく。これは才能がないのではありません。深く考える習慣を奪われているからです。大量の課題をこなすことで、思考停止して小手先のテクニックに頼る読み方が染みついてしまうのです。

次回は、この問題に対する具体的な処方箋と、なるちゃんが実践している指導法についてお伝えします。

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