「実質賃金」と「名目賃金」、あなたは説明できますか? ——小6がここまで書く、国語・作文・時事を“同時に”伸ばす勉強法

こんにちは。なるちゃんです。最近の中学入試では、「あなたの意見を書きなさい」と問う、作文型・記述型の出題が増えています。この対策と、時事問題の対策は、別々にやる必要はありません。ひとつのやり方で、同時に進められます。

以前この方法を紹介したのですが、話を聞いた方の多くは「いいですね」とおっしゃるだけで、実行する人はほとんどいません。正直に言えば、9割9分はやらない。だからこそ、やった子が抜け出します。今日は、その“実例編”として、私が実際に生徒とLINEで往復しているやり取りをお見せします。これは、すでにお子さんのライバルが実際に始めている方法でもあります。

1. やることはシンプル ——「調べて、意見つきで書く」

やり方は、拍子抜けするほど簡単です。「興味のある時事問題を調べて、書いてきて」。これだけです。

すると子どもは、自分で調べ、内容を自分の言葉でまとめ、さらに自分の意見まで添えて書いてきます。ここで大事なのは、「写さない」こと。本やニュースで読んだものを丸写しせず、自分が理解したこととして書く。だから、ときどき小さな勘違いもありますが、それでいいのです。写経ではなく“消化”だからこそ、頭に残ります。受け身で暗記した知識はすぐ抜けますが、自分で調べて書いた知識は定着する。こうして、国語力も時事の知識も同時に伸びていきます。

2. 小6が、ここまで書いてくる

実例を挙げます(生徒が特定されない形にしています)。あるお子さんは、わずか1週間で、普天間問題・物価高・円安・中東問題まで書いてきました。

たとえば普天間問題。住宅街にある飛行場を辺野古沖へ移そうとする話だと整理したうえで、「そもそもなぜ沖縄に基地が多いのか」という歴史にまで踏み込みます。沖縄が一定の時期までアメリカの統治下にあったこと、基地が雇用や日米関係を生む一方で、地元にはリスクもあること——良い悪いを単純には言えない、という両面を、自分なりに書いてくる。さらに、移設をめぐって裁判にまでなった経緯にも、話を広げていました。

物価高では、ウクライナ情勢や円安、令和の米騒動と結びつけて原因を整理し、「実質賃金」と「名目賃金」という言葉まで使い分けていました。——失礼ですが、大人の皆さんは、この2つの違いをすぐに説明できるでしょうか。それを、小6が書いてくる。しかも、「この先しばらく迷走が続くかもしれない」と、未来への見通しや自分なりの結論まで添えていました。

円安については、「入学したころはお小遣いの100円で買えたのに、今は120円」という身近な実感から入り、「円の価値が下がること」「日本とアメリカの金利差が原因で、投資家がドルを選ぶこと」「輸入品が高くなる一方、輸出には追い風になること」まで、仕組みのレベルで説明します。中東問題では、イギリスのいわゆる三枚舌外交——複数の相手に矛盾する約束をしたことが、後の対立の火種になり、その地域が今も不安定なままであること——という歴史的な背景にまで触れていました。丸写しの形跡はなく、自分で吸収して書いた跡があります。

3. 伸びるのは「フィードバックの往復」があるから

ただし、書かせて終わりでは足りません。本当に伸びる理由は、書いたものに私がフィードバックを返し、それをまた書き直す——この往復にあります。

たとえば普天間問題には、「基地が沖縄ばかりに偏っているのは不平等だ、という地元の思いがある。一方で、雇用のために残したいという声もある。いま基地が置かれている理由は、朝鮮半島有事や台湾有事への備えでもある。では“台湾有事”についても調べてみよう」。物価高には、「海外では物の値段が上がり続けるインフレが起きている。本来、経済がまともに成長していれば物価は上がるもの。日本は長くデフレで上がってこなかったから、海外との差がついた——この視点も足してみよう」。円安には、「なぜ日米に金利差があると円安になるのか」「では、日銀が利上げできない理由は何だろう」。中東問題には、「なぜアメリカがイスラエルを支援するのか、まで考えてみよう」。

答えを与えるのではなく、さらに考えさせる問いを返す。するとやり取りは、もはや「こう書きなさい」という添削ではなく、“議論”になります。この往復の過程それ自体で、記述力・思考力・時事の知識が、同時に育っていくのです。このお子さんとは、入試本番まで、こうしたやり取りを延々と続けていくつもりです。

4. 入試本番では「意見のストック」が効く

こうして書きためていくと、普天間・物価高・円安・中東、さらには韓国との国交正常化やウクライナ侵攻まで……と、自分なりの“意見のストック”ができていきます。

入試で「あなたの意見を書きなさい」と問われたとき、「さて、どのテーマで攻めようか」と、関連するストックを引き出せばいい。ゼロから絞り出す子と、引き出しを持っている子とでは、当日の安定感がまるで違います。国語の記述、作文型の入試、そして社会の時事問題——これらを一度に対策できる、というのはこういうことです。

9割9分はやらない。だから、やった子が勝つ

「やれたらいいけれど、塾の宿題が多くて」「過去問もあるし」。そう言って、ほとんどの人はやりません。本当に、9割9分はやらない。でも、やった子は確実に伸びます。お子さんのライバルの中には、もうこれを始めている子がいます。怖いと感じたなら、今日からで構いません。まずは一本、書かせてみてください。


書いたものへのフィードバックは、ご家庭では難しいことも多いものです。その往復を任せたい場合は、私の作文教室のリモート指導や、オンライン個別指導の「浜崎アカデミー」をご利用ください。

hamasakiacademy1

中学受験は“教育虐待”なのか?①

小5の壁【後編】