小5の壁【後編】

【後編】「小5の壁」の越え方——「全部やる」を捨てる勇気

前編では、小4まで順調だった子が小5で崩れる「小5の壁」の正体と、3つの原因(地頭のいい子の流入/塾の本気モード化/習い事との両立崩れ)をお話ししました。広島で個別指導塾をやっている、なるちゃんです。後編は本題、どう越えるかです。

 

結論から言います。こなせなくても、撤退しなくていい。 やめるべきは受験ではなく、「全部こなそう」という意識のほうです。

越え方① 「全部やる」を捨てる勇気

塾からは「あれもこれもやってくれ」と大量に降ってきます。それを真に受けて全部やろうとするから、回らなくなる。だから取捨選択します。各教科で「やることを2〜3つだけ」決めて、それ以外は思いきってやらない。

 

たとえば難関校狙いでないなら、練習問題は捨てて、例題と基礎問題ができればよしとする。算数は例題と計算だけ。国語は漢字はやるけれど、語句の暗記は後回し。そもそも国語は問題演習より読書のほうが力がつく面もあるので、「本を読むだけ」と割り切る手もあります。

 

ここで邪魔をするのが「もったいないお化け」、つまり捨てられない病です。偏差値や順位が下がるのが怖くて、全部抱え込んでしまう。でも、抱え込んで全部が中途半端になるより、絞って深くやるほうが、結局は伸びます。

越え方② そもそも「量が過剰」だと疑う

いまの中学受験、特に関東は量が過剰です。SAPIXや四谷大塚が示すのは「難関校に行くならこれだけ必要」という基準。だったら、難関校を狙わないなら、そこまで要りますか、という話です。

 

しかも、本当の”化け物”はそんなに量をやりません。算数なら1を聞いて10を知ってしまう。大量の問題演習は、本質を理解していない子の脳に無理やり詰め込むための手段、とも言えます。1回バシッと本質を理解すれば、どんな問題が来ても同じこと。睡眠を削り、発育を損ない、しかも頭に入らない——それなら夜10時までに寝て、その範囲でできることをやるほうが正解です。

 

この「本質を理解しているか」は、算数で如実に出ます。うちの生徒で、仕事算の「Aは30日、Bは12日で終わる。2人の仕事量の比は?」という問題に、いきなり30−12=18と書いた子がいました。なぜか。先生の手の動きを真似て、「先生が引き算したから引き算」と覚えているだけだからです。基本例題はできても、少し応用されると「掛けるんだっけ、割るんだっけ、一か八か引いちゃえ」になる。

 

小4まではこの”暗記によるごまかし”が効きました。でも小5で、本質を理解した子と、パターンで覚えた子の差がはっきり開く。だから、なぜそう解くのかを、人に説明できるか——ここが分かれ目です。理解には時間がかかり一見遠回りに見えても、ずっと頭に残り、応用も効く。まさに急がば回れ。国語も同じで、毎週たくさんの文章を斜め読みするより、1か月に1題を徹底的に深く読むほうが伸びます。

越え方③ 心と睡眠を守る——小6の「末脚」を残す

そして、いちばん大事かもしれない話。旅行に行ってください。週1でいいから体を動かす習い事を、1日30分のゲームを、友達と遊ぶ時間を残してください。

 

心には、ヒットポイントがあります。限界を超えれば壊れるし、壊れなくても疲弊していく。「遊んでる場合じゃない」と、起きている時間のすべてを勉強に充てさせれば、心は持たないし、6年生での伸びしろまで消えます。小6でラストスパートをかけたくても、小5からずっと全力では、もう足が折れている。だからこそ、小5のうちは心の余裕を持つ。ガンプラを作る時間があっていい。その分こぼれる勉強があっても、構いません。

 

今年の春に女子学院へ進んだお子さんのお母さんも、「5年生のときは旅行も行ったし遊んでいた。降ってくる量はこなせなかったけれど、6年でなんとかなった」と話していました。開成に受かった子は、夜8時半〜9時に寝て、朝6時に起きていたそうです。取りこぼしを恐れるより、体力と心の健全さを守り、本当に意味のある勉強だけに絞る。これが小5の正解です。

「それでいいや」と思えた家庭が、うまく回る

ずば抜けた子はずば抜けたなりに、そうでない子はそうでないなりに、身につけた力で行ける学校に行けばいい。「分相応」で「それでいいや」と思えるかどうか。案外、そう思えた家庭のほうが、結果的にうまく回るものです。

 

もし「算数の本質を理解させる」「国語を深く読ませる」が家庭では難しいと感じたら、うちの個別指導や記述特訓で力になれます。小6で算数が伸び悩んでいるなら、一度受けてみてください。本質から理解させるので、意外と早いです。ご興味のある方は公式LINEやDMでお気軽にどうぞ。皆さんが小5の壁を、うまく越えられますように。

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