「小4の壁」の正体――中学受験は全員がやるものではありません

 小4の壁とは「中学受験をしていいのか」を突きつけられる壁

一言で言うと、小4の壁とは「あなたのご家庭は中学受験をしていいのか、しない方がいいのか」を突きつけられる壁です。これに尽きます。
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年ほど前まで、小4の中学受験カリキュラムはお遊び的な内容でした。しかし今は「3年で勝負」の時代になり、昔の小5の内容が小4に降りてきています。小5の内容を小4で、小6の内容を小5で、さらに難しいことを小6で。中学受験はどんどん過激化していて、今の小4・小5・小6は昔より大変だと思います。

中学受験に参入していいのは人口の12

身も蓋もない話をします。私の体感では、中学受験に参入していいのは、日本全体の多くて20%、実際は10%程度だと思っています。親の経済力の問題もありますが、それ以上に子どもの素質の問題です。
日本の小学校のカリキュラムは、文部科学省がつまずく子がいることを想定して作っています。「中学受験は当然」という界隈にいる方は、足し算ができて当然、小1で分数ができて当然という感覚になりがちですが、それは一握りの人たちの世界です。
分かりやすい目安は、親が何のフォローもしなくても学校の勉強ができてしまい、カラーテストがほぼ100点であること。そういう子たちだけが集まって競うのが中学受験です。だからその中で「偏差値35」が生まれます。本来は参入しない方がいい子が入ってしまうと、ボコボコにされて「これは無理だ」となってしまう。それが小4の壁の正体です。

「中学受験は当然」は、実は一握りの世界の話です

東京の都心に住む方ほど「中学受験は当然」と思いがちですが、そこに住んでいるのは、大学受験も就職も勝ち抜いてきたエリート層です。何千人、1万人の統計を取れば、優秀な親の子は平均より学力が高い。遺伝の影響は5割という意見もあり、そこに環境と教育費が加わります。
それでも、そうした親たちの半分ほどは「うちは無理だ」と撤退していきます。残った半分も、SAPIXで思い描いたクラスに入れるとは限りません。「うちの子は当然御三家に行くと思っていたのに、御三家は夢のまた夢」ということが普通に起きる世界です。うまくいった話ばかりがSNSで拡散されますが、うまくいかなかった話は誰も発信しないだけです。

壁に跳ね返されたときの3つのパターン

お子さんが大手塾で歯が立たなかったとき、考えられるのは3つです。1つ目は、才能面でこの勝負に届いていなかったパターン。2つ目は、精神年齢の発達が遅咲きのタイプだったパターン。3つ目は、早期教育のやりすぎで潰れてしまったパターン。
どれであっても、子どもを責めて解決するものではありません。「何を言ってるんだお前は」と怒って教育虐待に向かわないこと。ここが一番大事です。

4の壁は「親の悟り」を試すチャンス

遺伝子研究の世界に「最後に遺伝が追いつく」という言葉があります。どれだけ早期教育で環境を整えても、同じSAPIXという環境に入れば、最後は素質が優れている子が勝ちます。理不尽ですが、これが現実です。
壊せる壁と壊せない壁があります。変えられるものと変えられないものを見分けて、現実を受け入れる。小4の壁は、親の覚悟と悟りを試すチャンスでもあると私は思っています。

中学受験の偏差値45は「真ん中以下」ではありません

中学受験の偏差値は、選ばれた集団の中での順位です。塾の模試で偏差値45でも、全人口で見れば上位1520%に入っている可能性があります。SAPIXで偏差値50なら、大学受験の偏差値6065くらいの位置にいてもおかしくありません(もちろんその後の頑張り次第で変わりますが)。「なんだ、真ん中以下か」と怒る前に、その数字が何の中での順位なのかを見てあげてください。

まとめ

中学受験はみんながやるものではなく、お金・才能・環境が揃って初めて土俵に上がれるものです。揃っていてすら偏差値40ということが普通にあります。壁にぶつかったら「そんなものだ」と正しく諦めて、作戦を変えることです。正しく諦めた方が物事はうまくいく、というのが私の考えです。この内容は動画でも詳しくお話ししていますので、ぜひご覧ください。

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