小3の分岐――先取りに意味はあるのか。やっていいのは「計算」と「作文」です

今回は「小3の分岐、先取りは意味あるのか」というテーマでお話しします。結論から言うと、先取りには意味がある部分と、ない部分があります。
意味のある先取りは「計算」です
ある程度はやった方がいい先取りもあります。うちの子たちも少しだけ先取りをやりました。何をやったかというと、公文です。学校の勉強の進度は遅いので、ゴリゴリ計算を練習してもらって、分数の計算が全部満足にできるようになった時点で「もう公文もやらなくていいよ」と辞めてもらいました。
計算力は基礎体力みたいなものなので、早めに身につけておくのはいいんじゃないかと思います。
4〜小6の内容の先取りは、後で追いつかれます
では、小3で都道府県名を全部覚えた、歴史の年号を全部覚えた、つるかめ算を小2でやった、というのはどうか。やってもいいんですが、意味があるかと言ったら、結局意味がないんです。後で追いつかれるからです。
3でやったら「すごい」と言われますが、小4、小5になったらトップ層はみんな普通に覚えます。そこで築いたアドバンテージが永久に続くわけではないんです。

実はうちの長男も、暇そうにしていたので小3で四谷大塚の小4の内容をやらせました。すると小4はよくできるわけです。ところが小5くらいから色々怠け始めて、復習をしなくなったら、四谷大塚のCコースからBコースに落ちて、そのままずっとBコース。最後は僕がテコ入れして母校の広島学院に入ったんですけど、あの先取りに効果があったのかと言われると、やっていなかったらもっと悪かったかもしれないけれど、小4の時に頑張ってもらっても良かったかな、という気もします。公文はやってよかったと思います。それは計算の体力だからです。
先取りに特化した塾に小3から入るのも、小4でいきなり難しい問題に面食らうのを防ぐという意味では、ありっちゃありかもしれません。でも小4の段階で「貯金があるから今度は小5のことをやります」という余裕は、多分ないんですよ。結局小4になったら小4のことをやって終わり。小5になったら、他の子と同じように初めて小5のことを小5でやることになる。同じ範囲を小5でしっかり勉強して理解した子に、追いつかれると思います。

幼少期にやるべきは、遊び・運動・読書です
だからいつも言っているように、幼少期はいろんなものに興味関心を持って、遊んで、ちゃんと脳の土台を作った方がいいんです。人としての土台を作る方に時間を使った方がいい。
おすすめは、体をしっかり動かして元気に遊びまわること、そして本をしっかり読むことです。
読書の一番のコツは、子どもが好きなものを読ませること。親が読ませたいものを読ませないことです。ポケモンが好きならポケモンに関する本でいいし、サッカーが好きならサッカー雑誌でいい。マインクラフトが好きなら攻略本でもいい。字が書いてあるものなら何でもいいんです。男の子なら「ポケモン空想科学読本」もおすすめです。あれはいい説明文なので、あえてポケモン好きにしておいて読ませるという手もあります。
ただし、本を読んでもできるようにならないこともあります。それは、考えて読んでいないからです。

一番おすすめの先取りは「作文」です
そこで、一番おすすめの先取りの話をします。国語力は全ての土台なので、小2、小3で字が読み書きできるようになってきた時期に、国語的なものをやっておくのはいいんじゃないかと思います。ただし、小2、小3で国語の問題集はやらない方がいい。一番いいのは作文です。
やり方は簡単です。「あなたの好きなポケモンのベスト5を教えて」「そのポケモンはどんな特徴があるの?」「どんな技を使うの?」と、どんどん書かせていく。内容は高いレベルのことでなくていい。好きなポケモンのこと、お父さんお母さんへの文句、最近見たYouTubeのこと。それで十分です。
実際に、帰国生入試で渋渋を受けると言っていた女の子を、たしか小4くらいの時に教えていて、日記を書かせたんです。最初は3行だった日記に、僕が「ここをもっと教えて」「これ分からないんだけど」と突っ込んでいったら、突っ込まれたことを次から自分で変えるようになって、日記が3ページくらいになった。あれは絶対に国語力が上がっているということで、お父さんにもすごく感謝されました。過去にもこのポケモンの作文で伸びた子はいっぱいいます。

文章をいっぱい読んで、文章をいっぱい書く練習をしたら、国語力は絶対つきます。塾に入って受験国語に染められる前に、やっておくことです。
子どもが書ける文章の質が、その子の国語力だと思ってください。いろんなことを複雑に考えて書ける子は、絶対に国語力が高いです。「今日はYouTube見て楽しかったわ」で終わっている子は、国語力が低いです。大学入試の小論文から逃げていく人がほとんどですが、あの小論文に立ち向かえる人間が国語力最強に決まっているんです。だから、その子のレベルに応じた「小論文」をやればいい。言葉をちゃんと扱えるようになれば、人の書いた文章も読めるようになります。

小学校高学年の学習をそのまま先取りで早くやるのはおすすめしません。しっかり遊んで、いろんなものに興味を持てるようにした方がいい。ただし計算は基礎体力として早めに、そして国語力に関しては、読書と作文で早めに種を蒔いておくことをおすすめします。

hamasakiacademy1

「小4の壁」の正体――中学受験は全員がやるものではありません