心情解説 「夕暮れの占い師」 中学受験 国語 難関校対策
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要約
この動画では、中学受験の国語で問われる「心情解釈」を題材に、物語文の読み方や内面描写の理解方法についてなるちゃんが解説しています。特に、「夕暮れの占い師」という物語の中で、主人公が占い師のアドバイスを受けることで自らの視点を変化させるプロセスが重要なポイントとして取り上げられています。
物語は、主人公のまみが親しい友人と別れる寂しさや不安から「独りぼっち」に対する恐怖心を抱くところから始まります。まみは友人の引っ越しに反発し、次第に自分だけが取り残されているという孤立感を強く感じていきます。なるちゃんは、こうした「心情の変化」を追うことが物語理解において重要であると述べ、感情の移り変わりを意識して読解を進めるべきだとアドバイスしています。
特にこの物語では、まみが占い師と出会い、自分の偏った見方を指摘される場面が重要な転機です。占い師は、まみの疑り深さや人への思いやりの欠如を指摘し、「相手に寄り添い、自分の視点を変えることの重要性」を伝えます。ここで占い師は、まみが自分の感情を客観的に見つめ直すための具体的なアドバイスも提供しており、物語全体で彼女の成長を促す存在として描かれています。
なるちゃんは、占い師のアドバイスの核心は「他者の立場に立って考えること」であり、これは物語全体のテーマを象徴する重要な要素だと説明しています。まみが占い師の言葉を実践しようとする場面では、友人に対して冷静に接し、内心で納得することで徐々に心の重荷が解けていく様子が描かれています。動画では、このような心の変化が物語の結末で表現される理由についても詳細に解説されており、単なる表面的な読解ではなく、登場人物の心理的成長に注目することが重要だと指摘しています。
この解説から、なるちゃんは生徒が物語の内面変化を理解するためには、単に言葉の意味を追うのではなく、登場人物の感情の動きを丁寧に読み取ることが必要であると強調しています。
トランスクリプト
(0:07) 心情解説、久しぶりにやっていきます。 (0:09) この心情解説は、難関中学校の入試問題、「こんな心情わかるか?」みたいな問題が出るし、 (0:16) そこを想定した大手塾も、かなり深い、「この心情わかるか?」みたいな問題を出してくるので、 (0:22) その心情を僕が代わりに解説するというシリーズです。 (0:25) かつては、有料でプレミアムグループ限定でやったんですけど、 (0:29) プレミアムグループはですね、僕との交流の方を中心にしているので、 (0:34) もう大盤振る舞いで皆さんに公開でやることにしております。 (0:38) 今回の心情解説はですね、うちの塾の講師の先生の研修を兼ねてやってますので、 (0:44) 先生向けにしゃべっていきますし、先生向けでも全然皆さんの参考になると思うので、 (0:49) 聞いておいてください。 (0:52) ということで、夕焼けの占い師。 (0:58) 清水一心先生。 (0:59) 危ないな、これ。少し苛立ちを感じてる。君、変化に気づいてないぞ。 (1:05) 竹本先生は、ほぼ満点。素晴らしい。 (1:10) 瀧君もいいんだけど、瀧君は逆に変化した後しか言ってないな。 (1:14) 変化前が欲しいんだよな。 (1:16) ということで、やっていきましょう。 (1:17) まず、あらすじからいきましょう。 (1:19) あらすじはね、これ名前忘れてたのにいつもね。 (1:21) トモコとマミがいてですね。 (1:23) トモコが天真爛漫で、マミが主人公なんですよ。 (1:27) 仲良しのトモコがですね、急に引っ越すことになったわけですね。 (1:32) そうするとマミからすると、男子もそうなんだけど、女子って群れで生きてるじゃないですか。 (1:39) だから、友達グループも決まってるからですね。 (1:43) トモコがいなくなったから、今更どっかのグループに入れてみたいな。 (1:47) できないんですよ。 (1:48) だからこのままだと、自分が6年生の後半を一人ぼっちで過ごすことが確定したわけね。 (1:54) 今まではこのトモコと仲良し2人でね、2人グループでいたから (1:58) 何も私たちは私たちで行動しますよみたいな感じでですね。 (2:04) 何も問題なかった。やっぱりね、この一人っていうのはね、堪える。 (2:08) 僕は一人でも結構平気なのに、やっぱり一人っていうのは堪える。 (2:11) 誰かと休憩時間おしゃべりしたりとかですね、一緒に行動するってことでやっぱり人間 (2:16) 人間は社会的にも無理で生きる生き物なので、今女子はって言いましたけど (2:22) 人間はそういう生き物なので、特に女子の方はね、そういう社会性が強いのでですね (2:26) 誰もいない一人ぼっちっていうのは、それこそ無視するっていうのがいじめになるぐらい (2:32) きついことなんですよ。だからそれに関して主人公のマミは絶望すると。 (2:39) ところがトモコの方はですね、ちょっと前向きなんですね。 (2:44) 転校するのは寂しいけど、なんか自分の部屋もできて海が見えてね、いいことだと。 (2:50) 遊びに来てね、というのはちょっと前向きになったわけですね。 (2:58) それで、このマミがですね、トモコいなくなった私一人だよっていう (3:03) もう思いっきりちょっと喧嘩腰の主張でですね、いいかげんにしてくれみたいな感じで言うと (3:08) このトモコの方が笑顔でですね。 (3:11) そっか、でも私も新しい友達作るから、マミだって頑張んないよね。 (3:15) マミ、あと2ヶ月よろしくねっていう天真爛漫で、 (3:19) そうして本当もやもやするわけですよ。 (3:23) どうしようって許せないみたいな感じでね。 (3:27) ところがここから面白くて、中略で、このマミはですね、 (3:32) ひょんなことから占いをね、占いおばあさんに占ってもらうことにしたら (3:36) 占いおばあさんにめちゃくちゃダメ出しされるんですね。 (3:39) マミの悪いとか頑固で疑い深いところと告げ、 (3:43) 人の立場に立って物を考え、人に対する慣れるように変わるべきだと。 (3:47) で、このね占いおばあさんのいいとこはですね、 (3:49) こういう一般論のアドバイスって人間実行できないんですよ、これって。 (3:55) 何からやっていいかわかんないから。 (3:56) だからちゃんと最後に具体的なアクションプランをくれてるんですね。 (4:01) 人に話しかけるときは深呼吸してにっこりと笑うと運が開けるというのだったと。 (4:07) これはポイントなんですよ。 (4:09) で、だからね、にっこり笑って深呼吸するだったらできるじゃないですか。 (4:15) で、実際この次にですね、えっと、トモコと会った時にトモコが (4:21) マミこれお揃いなの記念とっておいてってですね、キーホルダーをくれるわけですよ。 (4:25) で、その時のその主人公の気持ちはあと2ヶ月あるのに記念になった。 (4:29) ああ、そうかそうかと。 (4:31) もうさっさと私とのね、関係はもう過去の物で終わりにして、 (4:34) 次に気持ちが向いてるんだろうなあっていう風に心がドス黒くになるわけですよ。 (4:41) こいつはみたいな。 (4:43) この時に占いお坊さんのアドバイスがあったので、 (4:47) 深呼吸してにっこりと笑うをやってみたわけですね。 (4:49) で、かわいいねこれっていう言ってみたら、 (4:55) ここから大事な言葉なんですよ。 (4:56) よかったと。 (4:57) マミずっと怒ってたからこのままわかれるの嫌だなって。 (5:00) だってマミは私にとって大事な友達だもん。 (5:02) で、最後なんだか泣きそうになったと。 (5:04) その瞬間いろんな思いが優しい風になるようにほぐれていったと。 (5:08) で、これどういうことかってですね。 (5:11) これは非常に巧妙な問題なんですよ。 (5:15) どういうことかって言うとですね。 (5:17) 本当、皆さん、生徒の皆さんも本当に思った方がいいのが、 (5:21) 人間っていうのはですね、こうでこうでこうでこうなんだよっていう、 (5:26) 例えばイスラエルとガザ地区が争うのもいいんですけど、 (5:29) どちら側からの人からの生の声で切実に、 (5:33) こうでこうでこんなひどかったんだって言ったらですね、 (5:35) 人間って共感する能力があるんで、 (5:37) あ、そうだったんだっていう風に、 (5:39) そいつの立場に立って物を考えてるようになると思います。 (5:42) なのでこの文章はですね、巧妙なことに、 (5:44) 主人公のマミの立場から描かれているんですよ。 (5:48) だから普通に読むとトモコは勝手に引っ越しをしやがって、 (5:53) 引っ越しは仕方ないにしても、 (5:55) そのマミを置いていくことに関しては勝手に前向きになりやがってね。 (5:58) 私は向こうで友達作るからマミも頑張ってねとか、 (6:01) 海が見える家に来るんで遊びに来てねとか。 (6:06) ただ、それで置いていかれぼうになる私の気持ちをほっといて、 (6:10) 天真爛漫に次の生活のことを見てる? (6:12) ムカつくやつだと。 (6:14) いう風に読めるようになってるんですよ、文章はね。 (6:19) ただよく見ると、 (6:21) 例えばマミこれお揃いなの記念に取っておいて、 (6:24) キーホルダーをくれることに、 (6:26) 本当は悪いことじゃないですよね。 (6:28) お前なんかもう終わりだとかって言って、 (6:30) 別に紙そりを投げつけるわけでもなくて、 (6:33) キーホルダーくれるっていいことじゃないですか。 (6:37) そうそう。 (6:38) どこだったっけな。 (6:39) 途中でさやげられていくと、 (6:41) マミずっと友達でいてねみたいに、 (6:43) ちゃんとトモコの方はマミと転向しても友達でいたいって気持ちを出してるわけですよ。 (6:49) 実際転校して続くかどうかは難しいですけどね。 (6:53) なので、実はこの文章全体がマミの悪意で染められてるんですよ。 (7:00) よくよく分析中に最後の気持ちだけにニコッとした後に、 (7:03) マミずっと怒ってたからこのまま帰るの嫌だなって。 (7:07) そうなんですよ。 (7:08) 実は主人公のマミが引っ越すっていうので、 (7:13) 心がブチキレてしまって、 (7:15) 自分が一人ぼっちにされるっていうことからですね、 (7:18) 態度が敵対的になってたんですよ。 (7:21) 何を言おうが敵対的な態度になれば、 (7:24) 良い面じゃなくて悪い面を見てしまって、 (7:31) 坊主に憎いからけさまで憎いじゃないけど、 (7:33) 悪いように悪いようにとっているわけですよ。 (7:35) 逆にはこれでトモコの方がですね、 (7:38) マミと離れたくない、私引っ越しなんかしたくないよ、 (7:42) マミの家に置いてよって言われても、 (7:43) それはそれってウザいじゃないですか。 (7:47) だからトモコもそれは無理だからって、 (7:49) 頑張って切り替えていこうよ、 (7:51) みたいなこと言わないといけないじゃないですか。 (7:52) そういう意味で言うなら、 (7:54) ちゃんと切り替えて前向きになってくれる、 (7:55) というのも良いことなんですよ。 (7:57) その上で、前向きにはなるんだけど、 (7:59) 残り2ヶ月をちゃんと2人で残されてるからこそ、 (8:01) まるで末期ガン患者がですね、 (8:03) 残された人生をちゃんと食いながら生きるように、 (8:05) 友達の期間を全うして、 (8:07) できればその後も友人関係が続くように、 (8:10) やりたいっていう意味で、 (8:11) ある意味ポジティブな提案なわけですよ。 (8:13) それをこんな私の気持ちを理解せずに、 (8:16) こういった天真爛漫になりやがってみたいな、 (8:18) 例えば主人公マミが、 (8:20) 世界を悪意的に見過ぎないだけなんですよ、これは。 (8:23) それをこの占い師さんが、 (8:27) 実はあんたが悪いよっていうのを、 (8:29) 占いで教えてくれたわけですよ。 (8:31) わかりましょうか。 (8:31) 頑固で疑い深いところだと、悪いところだと。 (8:35) 人の立場に立って物を考え、 (8:37) 人の立場に立って物を考えてないわけですね。 (8:40) で、この占い師のアドバイスを受け入れてみたら、 (8:45) トモコの本心がわかって、 (8:47) 結局それは自分が勝手に悪意的に見たから、 (8:51) そう見えた話であって、 (8:52) トモコには全然邪心がなかったと。 (8:57) だから、ある意味自分なんですよね。 (8:59) 自分が世界を悪く見れば、 (9:02) 世界はひどい世界になるし、 (9:03) 自分が世界を前向きに見れば、 (9:05) 世界は素晴らしい世界になるしっていうので一緒で、 (9:08) 問題は実は、 (9:10) 幸せの青い鳥が自分家になったんじゃないんですけど、 (9:15) トモコっていう友人の方に問題があったんだけど、 (9:17) それをどう捉えるかっていう、 (9:19) 自分の心の中にあったんですね。 (9:21) それを占い師さんとの接触を通じて、 (9:24) 気づいたっていう。 (9:25) なんならこれね、 (9:27) 教訓話にしちゃっていいぐらいの、 (9:29) おとぎ話にしちゃっていいぐらいの、 (9:30) 偶話にしちゃっていいぐらいの話なんですよ。 (9:32) そこの、 (9:35) 多分最初生徒は、 (9:37) マミーの立場に立って、 (9:39) トモコは悪意的に捉えると思うんだけど、 (9:41) じゃあ、なんで最後仲直りしてるの? (9:43) ってことは分かんないまんま、 (9:44) ほとんどの子は、 (9:46) 上面で点数取ることばっかりやってるから、 (9:49) 選択肢選んだり、 (9:50) 記号に適当に書いて終わってるんだけど、 (9:52) そこで徹底的に考えて、 (9:53) なんでじゃあここで態度変わってんの?っていう。 (9:56) これは主人公にとっての成長の物語。 (9:58) 主人公が自分の欠点、 (10:01) 自分の世界の捉え方っていうのに気づいて、 (10:06) 世界の捉え方変わる物語なんで、 (10:08) この文章は絶対2周読まないといけないんですよ。 (10:11) 少なくとも。 (10:12) 少なくとも前半部分は。 (10:14) 絶対前半部分は、 (10:16) 主人公のマミーに引きずられて、 (10:18) 子供は悪意的にこのトモコのことを捉えて、 (10:22) ひどい奴だって読んでしまうはずなので、 (10:25) この本心が分かって、 (10:26) 実は占い師のアドバイスしたかったら、 (10:29) マミーの捉え方が悪かったんだっていうのを、 (10:32) 分かった上で、 (10:33) もう1回読んでごらんって前半。 (10:35) そしたらほら、 (10:35) 実はマミーが勝手に決めつけてるだけだろうっていう。 (10:39) そこに気づけてますかっていうのを、 (10:41) 分かるかどうかの問題なんですよ。 (10:43) それを踏まえて、 (10:45) そこを考えさせる問題を出題してください。 (10:49) もうどうどう出題するか、 (10:50) 多分皆さんの能力だったら、 (10:51) これが分かったらできると思うので、 (10:53) ここがもう1つなんですよ。 (10:54) で、さっきのおしめちゃんも言いましたけど、 (10:56) 物語ってのは本当に、 (10:58) 主人公、もしくは主人公クラスの重要人物のですね、 (11:02) 気持ちであったり、考え方だったりに、 (11:04) 大きな転換が大体起きるし、 (11:07) そこがポイントになる問題なので、 (11:09) これ本当にマミーの世界の捉え方なんですよ。 (11:11) 占い師に出会って何かあったら、 (11:13) 僕だったらもうそれこそ、 (11:14) この問題やってる子に出したのは、 (11:16) この文章から得られる教訓を述べようっていう。 (11:21) 教訓を引き出せっていう問題にしました。 (11:25) 多分この問題で一番難しいのは、 (11:27) そこじゃないかな。 (11:28) 答えはだから、 (11:29) 世界は自分がどう捉えるかによって、 (11:31) 見え方が変わると。 (11:33) だから自分の今の物語の捉え方が正解なんじゃなくて、 (11:36) 自分の物語の捉え方が間違ってないかを、 (11:39) 常に検証する。 (11:42) そんなことは答えなんですけど、 (11:44) ぐらいまで突っ込んでもいいわけですよ。 (11:46) というふうに、この占い師はですね、 (11:49) この転換ポイント。 (11:51) 昔なんだっけな、 (11:52) 絶対知らないだろうけど、 (11:54) ファミリーコンピューター、 (11:55) 僕もやったことないんですよ。 (11:55) 伝説のゲームがあってね、 (11:57) 大詰まった殺人事件だったかな。 (11:59) なんかでエンディングがですね、 (12:02) 犯人は誰だった? (12:02) 犯人はお前だ! (12:03) って言って、 (12:04) 主人公にずっと突き刺ってくれた、 (12:06) シャーラ・コウモリ、 (12:07) ワトソン君みたいな奴が犯人だったみたいな、 (12:10) 衝撃の展開がある。 (12:11) それと一緒です。 (12:12) 悪かったのは、 (12:12) 実は主人公だった。 (12:14) 私が悪かったんだ。 (12:15) っていう話だったんですよね。 (12:18) はい。 (12:19) ということで、 (12:19) 心情解説ゆうべの占い師でした。