【プレミアム心情解説特別公開!】「手の中のもの、なぁんだ?」物語の本当の読み方
はじめに
今日機嫌が良いんで、普段だったらプレミアムグループにしか見せない心情解説を特別に公開します。
大手塾が出しているプリントで、なかなかこの内容がすごいぞと。これは僕から見たらすげえなと思うんだけど、絶対こんなん小学生に分かんないよなっていうものがあるんで、解説したいと思います。
物語のあらすじ
タイトルは**「手の中のもの、なぁんだ?」**
主人公:井上さん
- 学校の夜警をしている
- いつも一人でうつむき加減に歩く
- もう若くはない
- 難しそうな顔が人にとっつきにくい感情を与える
- あまり誰かと話をしたり、笑ったりすることがない
- くたびれたバッグに入った夜一人で食べるお弁当
実はこの情報だけで読み取れることってめちゃくちゃ多くて、本当は今の情報だけで「むむ、井上さんはこういう人なんだ」ってことに気づかないといけないんですよ。
不思議な出来事
ある日、井上さんが夜警をしていると、黄色のワンピースを着た女の子とぶつかりそうになる。女の子は手をぐっと突き出して**「手の中のもの、なぁんだ?」**とクイズを出す。
井上さんは今まで子供から声をかけられたことが一回もなかったのでびっくりする。
4回のやりとり:
- 「何も入ってないんだろう」→女の子は悲しそうな顔。手を開けると何も入ってない
- 「キャラメルだろ」→女の子はちょっと悲しそうな顔。手を開けるとキャラメル
- 「すみれだろ」→ちょっぴり嬉しそうだけどちょっと残念そう。手を開けるとすみれ
- 「春である。季節の春だよ」→女の子はとても嬉しそうに笑った
最後、中庭の花壇の菜の花が満開。女の子は菜の花の精霊だった。
解説:中年男性の孤独をなめるな
井上さんとはどういう人物か
学校の夜警員という職業について:
- 「俺は子供の頃から学校を夜回る人になりたかったんだ」っていう人はほぼいない
- そんなに良い報酬ではない
- みんなが憧れてなりたがる職業ではない
- 何か特殊なスキルがいる仕事でもない
- 付加価値が付けれる仕事でもない
つまり、井上さんは不本意な仕事をしてる人だと思った方がいい。
井上さんの孤独
「あまり誰かと話したり、笑ったりすることはありません」という記述から:
- 独身で家族がいない可能性が高い
- 仮に奥さんがいても夫婦関係は冷え切っている
- 多分一人で住んでいる
職業の面でも:
- うまくいってない
- 年齢が高くて何も経歴がない人は仕事に就きにくい
- 私生活で楽しいことはない、仕事も充実していない
井上さん基本的に詰んでるんですよ、この人。
負のスパイラル
**「難しそうな顔、人にとっつきにくい感じを与える」**がキーポイント。
楽しくない→顔つきも難しくなる→「どうせ俺なんて」→それが表情に出る→周りから拒絶される→余計孤独になる
このスパイラルに陥ってるわけですね。
子供に声をかけられてびっくりしたっていうのは、そのぐらいこの井上さんは今まで人に声をかけられることのないような、そういう寂しい状態だったってこと。
女の子の表情変化の意味
井上さんの回答は心のポジティブさの状態
- 「何もない」→心が閉ざしてる。「どうせ俺なんていいことない」
- 「キャラメル」→ちょっとでも希望を持つ人に変わった
- 「すみれ」→高次元な喜びを求めるように。前向きさが上がってる
- 「春」→究極のポジティブ発言。「人生生きていくことを楽しもう」
どんどんこの女の子の表情は嬉しくなっていくんですよ。
他の子供に声をかけられた意味
3回目か4回目に、他の子供に「さようなら」と声かけられる場面。
これどういうことかって言ったら:
- 井上さんは自分で自分を負のスパイラルに入れてた
- ニコニコしたおじさんだったら声をかけようかなっていう気持ちになる
- 声かけてもらえるような人になるぐらい心の状態が変わった
このおじさんにとってはなかなかすごいことなんですよ。
物語の本質
この「手の中のもの、なぁに?」っていうのは、孤独で人生に希望が持てなくて、それが負のスパイラルに入ってた中年男性が、その奇跡によって、心の中がポジティブになっていって、もしかしたらまたこのことをきっかけに、井上さんはなんか積極的に人と関われたり、人生を肯定的に考えられるようになったんじゃないかっていう、おじさんの再生の物語なんですね。
まとめ
まあ僕から見ればそういう風に今回のやつは見えます。こんな話を小学生がわかるはずないんですけど。
国語っていうのは、その辺のちょっと書いてある言葉を引っ張ってきて写せば点が取れるとかね、消去法でア・イ・ウ・エ・オから選べば点が取れるみたいな、低いレベルで点数をかすめ取ればいいと思ってる子供たち、そして保護者たちへ、今の動画を見てちょっと考えを改めてください。
本当に物を読むって、本当に理解するっていうのはこんだけ深いんです。
ポイント:
- 表面的な情報から人物の背景を読み取る
- 回答の変化は心の変化
- 負のスパイラルからの再生の物語
- 国語は深く読むもの
