伸びる子と潰れる子を分ける〇〇――才能だけでは決まらない、大人の関わり方
皆さんこんにちは。なるちゃんです。オンラインで東京など都市圏の生徒さんもたくさん教えています。今回は「差がつく、伸びる子と潰れる子を分ける◯◯」というテーマで、順番にお話しします。
残酷ですが、まずは才能です。
やはり地頭の良い子は伸びます。理解に時間がかかる子も、教え方である程度は伸ばせますが、限界はあります。
だからこそ大事なのは、「うちの子はそこまで才能に恵まれていないかも」と感じたら、努力で全部解決しようとしないことです。「絶対に開成に行くんだ」と言って夜中の3時までやらせ、睡眠3時間で頑張らせても、成績はそこまで伸びず、子どもが潰れます。メンタルの不調につながることもありますし、夜中3時までやらせるのは教育虐待だと僕は思っています。
潰さないという観点で一番大事なのは、その子なりの作戦を立てることです。「この学校に行けたらいいじゃないか」「この問題ぐらいまで分かったらいいじゃないか」と、その子に合ったゴールをドライに見極めてあげてください。
成功談は、聞きすぎない方がいい
「あの子が行けたんだから、うちも行けるはず」は要注意です。その子には、その子の才能があったからです。巷の成功談も、聞きすぎない方がいいと思っています。失敗談は広まらず、奇跡的にうまくいった話だけが拡散されるからです。200人が乗った飛行機の事故で、奇跡的に助かった2人の話だけを見ているようなものです。
中学受験の世界に入れているだけで、世間的に見れば上位1〜2割に入るすごい才能です。ただ、その中にも才能の差はあります。努力できるかどうかも、ある意味その子の才能なのかもしれません。できないことも含めてその子なのかもしれない、と見てあげることが大切です。
学ぶことが好きかどうか――好奇心は、親が簡単に潰せてしまいます
次は、学ぶことが好きかどうかです。面白いと感じて感情が動いているとき、情報は脳に定着しやすいと言われています。
同じ内容でも、「受験のためだから仕方ない、鳴くよウグイス平安京」と覚える子と、「なんで都を移したの?」と考えて「そんな理由があったんだ」と納得する子では、頭への入り方が違います。
ここで一つ言えるのは、子どもの好奇心を親が潰すのは簡単だということです。石を拾い始めたり、バスを観察し始めたり、虫を集め始めたりしたときに「そんなことしないで」と芽を摘んでしまうことは、いくらでも起こります。
だから、むしろ中学受験を始める前、幼稚園や小学校の頃が大事です。乗り物に興味を示したら一緒に眺め、石を拾い始めたら一緒に拾い、飽きるまでやらせてあげてください。虫なら図鑑を、ポケモンが大好きならポケモン図鑑でもいいんです。あれも立派な勉強です。
以前チャンネルによく出てくれた「たくにゃんくん」は、第一志望は叶いませんでしたが、帰国生入試で渋谷教育学園渋谷に合格し、今は野球部で楽しくやっています。彼のお母さんは、子どもが何かに興味を示したらチャンスだと思って、たとえご飯の時間が夜9時になっても邪魔をしなかったそうです。持って生まれた差もありますが、育て方でもかなり変わると僕は思っています。いろいろなものを面白がれる子は、勉強も面白がれます。逆に、気合で「やらなきゃ」とやっていると頭に入らず、「なんでこの成績なの」と言われて結果も出ず、行きたかった学校にも行けずに「親のせいで人生がダメになった」と、入学後に成績下位に沈む「深海魚」になってしまうことも実際に起きています。
行きたいのは、本人か、親か
次はモチベーションです。親に言われて中学受験をしている子と、「この学校に行きたいから頑張るんだ」という子では違います。学ぶこと自体はそれほど好きでなくても、本人が強烈な憧れを持てば頑張れますし、伸びてきます。反対に、親だけが憧れて「あの学校いいのよ」とやらせていると、潰れます。
そもそも、本人が勝手に潰れていく子はいないんです。だいたい大人が潰しています。
勉強の計画に、主体性を持っているか
次は、自分の勉強の計画に主体性を持っているかどうかです。親御さんが割と正しい情報を持ってきてくれても、自分で考えて「これをやった方がいいんじゃないか」と動く子と、言われてやる子とでは違います。
自分で試行錯誤する子は最初はこけますが、立て直す力で成長します。中学受験で少々失敗しても、そこから学んで「勉強はこうすればいいんだ」と分かった子は、中高に入ってから伸びます。小6まで親や塾が完璧に管理すると、その時はよくても、終わった後が伸びません。
自分の頭で考えているか――これに尽きます
そして、自分の頭で考えているかどうかです。もうこれに尽きます。国語なら、点数を取るために本文の言葉を切り貼りして部分点をもらえればOK、ではなく、「これはどういう話なんだろう」と考えて、話の流れを理解しないと気が済まない子になれるかどうかです。算数なら、解き方を暗記するのではなく「なんでこの解き方をするんだろう」と考え、人に説明できるかどうかです。
才能があっても、塾などの環境や親の関わり方を間違えると、考えない子に仕上がってしまいます。実際、そういう子をたくさん見てきています。僕はどちらかと言えば、考えない国語をするようになった子を、考える国語に変えて桜蔭に合格した子もいます。そうした事例をいくつも見てきたので、変えることは可能です。小4〜小6の塾のカリキュラムとの付き合い方でも気を付けてください。
結果で見るか、プロセスで見るか
次は親御さんに関わる話で、結果で物を考えるか、プロセスで考えるかです。子どもが偏差値40を取ってきたときに「なんだこの点数は」と結果にキレても、できるようにはなりません。子どもは怯えて小手先の短期的な点に逃げ、長期的にはダメになります。
見てほしいのは中身です。漢字は満点なのに読解が取れていないなら読解を、読解は取れているのに漢字がゼロ点なら、まずは努力の部分を直します。
結果が良くても、マグレの場合もあります。いずれにしても、何がこの結果をもたらしたのか、次はどう改善するのかを常に考えてください。そして、結果が悪くても良かった部分は褒めてあげてください。褒めてもらえるから、悪かった部分に向き合えるのです。「クラスが下がった」「なんだこの偏差値は」と結果でばかり判断されると、子どもは潰れてしまいかねません。
中学受験は、過程に過ぎません
もう一つ付け足すなら、中学受験の合格ばかり考えていると潰れます。中学受験は過程に過ぎません。野球でも、全部ストライクではなく、わざとボール球を投げるから次のストライクが効きますよね。中学受験も、一度も転ばずに進むのではなく、ある程度戦略的に転んでおいて、そこから学ぶ方が、中高で良い過ごし方ができると僕は思っています。
伸びる子と潰れる子を分けるのは、才能、好奇心、本人のモチベーション、主体性、自分の頭で考える力、親が結果ではなくプロセスを見ているかどうか、そして合格をゴールにしないことです。その多くに大人の関わり方が影響しています。動画もよかったらご覧ください。
