中学受験に大手塾+個別塾は必要? まず知っておきたい「お金」と「教科」の違い【前編】

 

中学受験をしようか迷っている方、まさに受験の最中の方、もう終わったという方。周りから「SAPIXに通っているよ」「グノーブルだよ」「四谷大塚だよ」といった話を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかも「それに加えて個別指導にも行っているらしい」「プロの家庭教師に来てもらっている」という話まで耳に入ってきます。

「塾に塾を足すの? そんなのいらないでしょ」という意見もあると思います。実際、使わなくていい人もいます。ではなぜ、多くのご家庭が家庭教師や個別塾を使うのか。使うと何が起きるのか。この記事では、広島で個別塾を営みながらオンラインで東京の生徒も教えている私、なるちゃんが、そのあたりの解像度を上げるお話をします。

私は個別塾をやっているので、どうしても個別塾寄りの話にはなります。ただ、最近は英語の集団授業も担当していて、集団授業の良さと難しさも肌で感じています。ビギナーの方にも分かるように、基本からお伝えします。

ここで言う「大手塾」と「個別塾」

大手塾とは、集団塾のことだと思ってください。SAPIXや日能研が代表例です。小学校や中学校のように、先生が1人いて、生徒が10人、20人いる。先生が1対多数で同じ内容を進めていき、生徒はその授業を聞いて学ぶスタイルです。一人ひとりに当てて答えさせることはありますが、基本は先生の進行に全員が合わせます。

何人からが集団授業かという定義は難しいのですが、私は、たとえ3人でも同じことを同時にやっていれば集団授業だと考えています。

個別指導は、いちばん極端な形が家庭教師です。先生が1人の生徒につき、わからないところやその子の学力に応じて、教える内容を工夫して寄り添います。個別塾にも、完全な1対1のところもあれば、うちのように1対2、1対3のところもあります。私の定義では、生徒がやっている内容がバラバラで、それぞれにバラバラの対応ができていれば個別です。

ちなみにうちでは、広島大学医学部の学生講師が、3時間のうちに最大6人まで、学年も内容もバラバラの生徒を同時並行で教えることもあります。偏差値70を超え、人口の上位1〜2%ほどしか受からない層の人たちなので、能力が高いのです。これが人間の能力の限界値ではないかと思っています。

なお、私は1対1が正義だとは思っていません。1対1と1対2は、やり方がある条件に当てはまらなければ、効果はあまり変わりません。「1対2だと効果が半分になるから1対1がいい」という場合は、その1対1の先生の教え方に問題があると思っています。これは長くなるので、また別の機会に話します。

先に結論:中学受験なら、まず大手の集団塾へ

個別塾の人間が言うのも変ですが、中学受験をしたいなら、まず大手の集団塾に行ってください。集団授業なしで、個別だけで中学受験を乗り切るのは、ほぼ無理です。

集団授業がなくても勉強できてしまうほど優秀な子が、プラスアルファで個別を使うのなら成り立ちます。しかし「集団塾はついていけないから、個別だけで受からせてください」という場合は、そもそも中学受験をしない方がいいと私は思います。そのうえで、それぞれのメリット・デメリットを見ていきます。

お金では、大手集団塾の圧勝

まずお金です。ここは絶対に大手集団塾の勝ちです。

個別塾や家庭教師は、1回に教えられる人数が限られるので、1人あたりの単価を上げざるを得ません。たとえばうちのような個別塾で「1回5,000円、80分を週1回、月4回で2万円」だとします。「大手は月3万円だから、個別の方が安いじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、個別の2万円は週1回80分の話です。大手塾は、夕方6時ごろから9時ごろまでの3時間を週2回、算数と社会、算数と理科といった具合に見てくれて、週6時間で月3万円ほどで済みます。時間あたりで見れば、コストパフォーマンスは集団塾の方が圧倒的に上です。10人、20人を同時に見られるので、先生の給料が多少高くても、人数が10倍、20倍になるわけではないからです。

もちろん、集団塾には広告宣伝費や広い校舎のコストがかかりますし、家庭教師は先生が家に行くだけなので、土地代の高い東京では差が縮まることもあります。それでも原理的には、一度に見られる人数が多い集団塾の方が割安になります。

そして最上級の先生ほど、教えられる生徒の数が限られるので、値段を上げ、それでもいいという人だけを教えます。「超最上級の授業を、個別塾より安く」というのは、構造的に無理な話です。集団塾なら、教室に入る人数までは受け入れられます。

大手塾は全教科をまんべんなく教えてくれる

コストパフォーマンスがいい分、教えられる量も多くなります。個別塾で「週1回80分で、国語も算数も理科も社会も見てほしい」と言われても無理です。その時間は算数に絞り、分からないところに集中する、という形で効果を出すことはできます。一方で大手塾は、国語・算数・理科・社会を全部まんべんなく教えてくれます。中学受験は全教科が必要ですから、私は「絶対に大手塾へ」と言っているのです。

もちろん、集団授業だと子どもが泣いてしまうので、いくらかかってもいいから個別でお願いしたい、という選択もできます。大手塾が小4で週6時間だとして、個別指導が1回1時間半・週4コマで国算理社をカバーするなら、うちの単価で1回5,000円、週2万円、月にして8万円ほどです。高校受験の公立中学生でも、全教科を個別で見てほしいと言われて、月謝が10万円を超えることはよくあります。

『ちびまる子ちゃん』の花輪クンのように、「坊ちゃん、次は算数の先生です」「次は国語の先生です」とオーダーメイドで教科ごとに先生を呼ぶ。そんな貴族のような学び方は、お金をかければ可能です。ただ、それでも失うものがあります。

大手塾は母数が多いので、模試や定期テストで順位がはっきり出ます。クラスの昇降もあり、競争にさらされ続けます。「頑張らないと自分が落ちてしまう」という緊張感は、モチベーションになります。みんなが頑張っているから自分も頑張る、というサボり防止の効果も見逃せません。

浜崎アカデミーからのお知らせ

浜崎アカデミーは、9月から時間割を組んでほぼ埋まっていますが、今年は1年目の先生を6人採用し、先生の数が多めで、まだ枠があります。今からでも、ご相談いただければやりくりします。

「小6の秋だけど、なんとかなりませんか」というご相談も受け付けています。「絶対になんとかなります」という安請け合いはできませんが、かなりの確率で現状よりは良くしてあげられると思います。お問い合わせいただければ、門前払いはいたしません。

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