中学受験 国語:記述は実はコスパが良くてオイシイよ
こんにちは、なるちゃんです。広島市の横川で学習塾を経営しています。
今日は、国語が苦手な子に向けた大事な話をします。今日の授業で生徒にアドバイスした内容ですが、これは多くの受験生に当てはまると思うので、ぜひ読んでください。
記述問題を白紙にしてしまう子へ
今日、東京の小学6年生の授業で、こんなことがありました。
問題集の最後にある3行の記述問題が白紙だったんです。
「時間がなくてできなかった?それとも書けなくて白紙だった?」と聞くと、**「書けなくて白紙でした」**という答え。
これ、すごくもったいないんです。
白紙になる本当の理由
自己肯定感が「高すぎる」問題
意外かもしれませんが、記述を白紙にしてしまう子は、自己肯定感が低いのではありません。逆に高すぎるんです。
どういうことか?
3行にびっしり埋まる完璧な回答を書こうと、自分に過剰に期待してしまう。そして「そんなの無理だ」となって白紙になる。
つまり、0か100かの思考なんです。
記述問題の真実
満点を取る必要はない
ここが重要なポイントです。
3行ある記述問題には、採点要素が2つ、3つ、4つくらいあります。問題作成者が「この要素を書いてくれたら2点」「これなら3点」と決めているわけです。
ということは?
1個でも当てれば点数がもらえるんです。
- 3行全部を完璧に埋める必要はない
- 2行しか書けなくてもいい
- 1行しか書けなくても、その1行が採点項目に当たっていれば点数がもらえる
記述は「取りやすい」問題
例えば8点満点の記述問題で、4点や5点取れたらそれで十分勝ちです。
考えてみてください:
抜き出し問題
- 1文字でもずれたら0点
- 見つけられなかったら時間をかけても0点
選択肢問題
- 時間をかけて選んだ答えが違ったら0点
記述問題
- 時間をかけて「大体こういうことが必要だよね」と書いたら点数がもらえる
無駄な努力になりにくく、頑張って書いたものが点数化されやすい。だから実はオイシイんです。
今日の授業での成功例
今日の問題は「心情の変化」を問うものでした。
私が生徒に言ったのは:
「心情が変化したってことは、変化した後か変化した前の心情、どっちか書けるでしょ?」
「とりあえず『これじゃない?』って書いてみて。言葉足らずでバツされるかもしれないし、『それそれ!』って丸もらえるかもしれない」
すると、その子はゴリゴリ書けるようになったんです。
東大も記述力で合格できる
私は東大出身ですが、東大は記述ばかりです。国語は全部記述、世界史には600字の記述もありました。
実は私、学力的には足りていませんでした。でも「記述力で逆転できる」と思って受験したんです。
なぜか?
- 記述アレルギーの人が多い
- 書けば書いただけコスパがいい
- 書けば書いただけ点数がもらえる
- みんなが逃げるからチャンス
そして、東大の2次試験は合格に必要な点数が50%以下です。半分取れたら合格するんです。
つまり、全ての記述問題で半分を取り続ければ東大に合格できる。完璧な回答で満点を取る必要はないんです。
具体的なアドバイス
完璧思考を捨てる
- 100点を狙わなくていい。70点、60点でOK
- 今の自分が分かっていることを全部書く
- それだけで意外と半分くらい取れる
試験での優先順位
私が今、小学6年生だったら、絶対に記述問題から解きます。
理由:
- 記述は時間をかけたらかけただけ点数がもらえる
- 抜き出しは見つけられなかったら0点になる可能性がある
時間が余ってから抜き出しや選択肢に取り組みます。
白紙だけは避ける
- 白紙 = 0点
- 何か書く = 2点、3点もらえる可能性
ちゃんとやれば0点が取りにくい科目、それが記述なんです。
まとめ:記述はコスパ最高
記述問題は:
- 完璧じゃなくていい
- 書けるものを書く
- わかるものを書く
- それに応じた点数をそこそこくれる
特に試験時間は限られているので、完璧なものは書けません。分かったことを書いて部分点を取ればいいんです。
「記述は難しい」じゃなくて「記述はコスパがいい」と考えてください。
こんなにコスパのいい問題はありません!
